2014年7月24日 住野豊氏 (終了)

日時: 2014年7月24日(木)16:00 
場所: 首都大学東京 8号館300号室 
講師: 住野豊氏(東京理科大
題目: 界面活性剤の会合体生成と構造変化がもたらす界面運動

要旨: 細胞はその内部で弾性を持つアクチンとミオシンからなるゲルを自発的に生成・崩壊、あるいは収縮させることで運動・変形を示している。このような機構を化学系で模するため、我々は油相・水相と2種の界面活性剤によりなる実験系を構築した。この系では油水界面でラメラ状の会合体(αゲル)が生成される。またこの会合体の生成に伴い界面が球状の突起を進展・収縮させる運動を1時間ほど繰り返すことが見出された。また簡便な次元解析より生成している会合体が単純な弾性体であると考えると、変形を生み出すのに必要な駆動力が生じないことが見出された。そこで我々は、生成している会合体の構造、特にその時間変化を明らかにするため小角X線散乱・小角中性子散乱のその場観察を行った。本講演ではこれらの散乱から明らかとなった会合体の構造変化および界面運動との関連性を議論する。