2017年3月14日 岡本隆一氏 (終了)

日時:2017年3月14日(火) 14:30〜16:00
場所:首都大学東京 8号館300号室
講師:岡本隆一氏 (首都大学東京)
題目:ソフトマターにおける新しい溶媒和効果の発見

要旨:ソフトマターの研究では、一般に高分子や液晶、コロイド、両親媒性分子などの物質を直接の研究対象とするが、それらは単独で存在するのではなく、ほぼ必ず溶媒を必要とする。例えばコロイド溶液において、コロイド粒子間の相互作用を決めているのは、単にコロイド粒子の性質だけではなく、周囲の溶媒が重要な役割を果たしている。さらにはコロイド粒子の動力学においては溶媒の不均一性を考慮することも重要である。また溶媒がイオンを含む場合や複数の成分から成る場合には、非常にデリケートで劇的な効果が生じる。イオンが油のような非極性溶媒と水のような極性溶媒で溶媒和化学ポテンシャルがkBTよりもはるかに大きく異なるためである。溶媒和の効果は水中のナノバブルの形成においても重要な役割をはたす。本講演ではこれらに関わる最近の我々の研究に関してお話しする。